GPD WINは失敗する

久々の超小型ノートパソコン

 GPDから久々の超小型ノートパソコンが登場しました。超小型ノートパソコンというのは主に5インチ前後の画面を搭載するノートパソコンです。7インチ前後でミニノート、9インチ前後でネットブック、11インチ前後でモバイルノート、13インチ前後でサブノートと言うことが多いと思います。

 このGPD WINですが、商業的には成功しない、少なくもと「3DS持ってる?」とか、「スマホ持ってる?」とか、「iPad持ってる?」という会話がなされるほど世間に浸透せず、あくまでPDAやこれまでのミニノートのような結末に至ると考えます。

ここが今までと違う

 これまでの超小型ノートといえば

・性能が超低い 10年前のノートパソコン並の性能しかありませんでした。

・電池持ちが悪い 2、3時間というのも一般的でした。

・競合製品が多すぎる 当時はまだPDA黎明期。各社が競って超小型ノートパソコンを出していた時期でもあります。

 しかし、昨今ではタブレットやステック型パソコンが普及の兆しを見せるなど、特にインテルが非常に高い性能を持つ低電力CPUをリリースしてきたことなどから性能の問題は克服できるようになっていました。10年前のノートパソコン並、ということに変りはないかも知れませんが、近年は性能の進化も遅く、10年前のノートパソコンが十分現役で使える物であるということも忘れてはいけません。とはいえ、さすがにゲーミングは言過ぎと思うのですが…。(今更2Dでジョイパッドを使いたいゲームなんてRPGツクールくらいしか思い浮ばない)

 今回GPD WINがこれほどまでに注目されているのは、競合製品がなかったり、昔の使いにくさを知っている人が少なくなっているからです。また以前のように各社が競って出すようになればたちまちユーザは散らばり(VAIOに集り?)、GPDの居場所はあっという間になくなってしまいます。以前のOQOに近い形になってしまうかも知れませんし、おそらくGPD WINは単発、うまくいって他社が出すまで数世代で終ってしまうことになるでしょう。

 それにしても、各レビューサイトの筆者たちはあまりに無知です。5インチ台のWindowsパソコンがこれまで、つい数年前まで各社から出されていたことを知らないなど、たとえザウルスユーザといえど発売前に口を出す資格はありません。このようなレビューが知らずに購入した人をがっかりさせるのです。「通常のノートパソコンとしても使える」などと嘘ばっかりいいやがって。

超小型ノートに成功例がない

 これまで二流パソコンメーカから数多く発売された超小型ノートは、どれも数年間しか販売されず、一部に熱狂的な信者がいるとはいえ普及するには至りませんでした。性能が低かったというのもありますが、現在のタブレットのように売れる日はこないでしょう。

スマートホンが完熟してしまった

 今やスマートホンでもゲームが出来る時代。GPD WINよりも性能の高いスマートホンがあるほどです。モバイル向けゲームがスマートホン、アンドロイド向けに最適化された現在、レトロゲームのエミュレータ機として以外の使い道が見つからないのが現状です。そもそも外に出てまでゲームをするような人は外に出ないというのは定説です。Win32機だからこそ、という根強い意見はあれますがこれとゲーム性とはあまり関係ないといえましょう。

入力機器が玩具レベル

 この製品はあくまでアンドロイド機をWindows化した物に過ぎないといえます。まず液晶タッチ部の静電容量式という点。最後の超小型ノートから時間がたってしまったせいか、「失われた技術」となってしまったようで、最悪の選択、『高解像度液晶に静電容量式』を選択してしまいました。これはアンドロイドにおいては非常に有意義な物ですが、Windowsにおいては邪魔な物でしかありません。Windowsは元々マウスで1ドット1ドットを正確に入力することを考えて作られたOS(Win10で少し変りつつあるが)。そのためタッチ部は細いペン先を認識できる感圧式にしなくてはならないのです。所詮パソコンメーカではなくゲーム機、スマートホンメーカ。ユーザの思いは理解されていません。結局、タッチはアイコンの選択くらいにしか使えないのです。

 もう一つの問題点はキーボードです。この製品、5.5インチとスマートホンとしては大きめ。日本人はキーボードを満足に打てないかも知れません。

 詳しく説明しますと、GPD WINのキーボードはアドエスなどに似たポチポチ式です。これはキーボード部を両手で挟み込んで親指うちする物ですが、初代W-ZERO3よりも大きな筐体を果して手の小さな日本人は挟み込んで入力することが出来るでしょうか。それ以前に使ったことがある人ならわかると思いますが、机の上に載せてタイピングをすることは堅すぎて不可能なのです。これでは明らかに万人受けはしないでしょう。要は、机において使えないことです。

宣伝すべきユーザを取違えている

 GPD WINはゲーマに向けた製品のようですが、これは明らかに間違っています。これだけの出資があるということは大半がゲーマであると思いますが、実はこの手の商品をこれまでほしがっていたのはポケコンやハンドヘルドPC時代からのミニノートマニアなのです。ゲーマに売りつけるというのは半ば信頼を自分で失う、自殺のような物です。とはいえそもそもAtomの後継がでないなどという噂もあるため特攻を本機で考えているのかも知れませんが。

設計が海外

 そのため日本語入力に関わるキーがなかったり、筐体デザインがバランスの悪い物になっていたりします。特に日本語、英語を切替える感じキーがないというのは多くの人にとって不便だと思います。また、一部のユーザにとって死活問題であるカナ入力刻印も当然ありません。(以前筆者はLOOXにカナシールを貼って使おうとしたことがあったが、キー数が足らずかえって不便だった)

理想と現実は違う

 これがかなり需要です。まず、解像度ではなく、この画面サイズではネットサーフィンすらまともにやる気が起りません。そして発熱に関してはさわれないほど熱くなります。また、性能は言うほど高くなく、使えば使うほど重くなっていき、バッテリはすぐに寿命を迎えます。これは超小型ノートの宿命といえましょう。

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